いろんなお砂糖の話

糖質甘味料とは

糖質系甘味料
デンプン糖
ブドウ糖  果糖  麦芽糖  異性化糖  水あめ
その他の糖
パラチノース   フラクトオリゴ糖  乳糖(ラクトース)  ガラクトオリゴ糖
乳果オリゴ糖 大豆オリゴ糖   ラフィノース    はちみつ
糖アルコール甘味科
ソルビトール  マルチトース   高糖化還元水あめおよび低糖還元水あめ
パラチニット   エリスリトール

糖質系甘味料 - デンプン糖

1.ブドウ糖(グルコース)
果実などに存在する単糖類でショ糖やデンプン、セルロース、グリコーゲンの構成成分です。
製造法:デンプンを酸あるいは酵素により、完全に加水分離し、精製、濃縮後、そのまま結晶化して含水結晶ブドウ糖、濃縮後、煎糖、分蜜して無水結晶ブドウ糖、濃縮後、造粒あるいは型入れ形成した精製ブドウ糖、濃縮したままの液状ブドウ糖を製造します。市販製品には無水結晶ブドウ糖、含水結晶ブドウ糖、精製ブドウ糖及び液状ブドウ糖があり、結晶ブドウ糖及び精製ブドウ糖には日本農林規格が制定されています。
特性:還元性があり、砂糖より着色しやすく、甘味度は砂糖に比べて約15〜40%で、エネルギーは砂糖と同じです。

2.果糖(フラクト—ス)
果物や蜂蜜などに存在する代表的な単糖類でショ糖やイヌリンなどの構成成分です。
製造法:現在日本では、デンプンより製造された異性化液糖や砂糖の転化糖液を原料としてつくられています。異性化液糖や転化糖液をイオン交換樹脂を用いたクロマト分離によりブドウ糖と果糖に分離します。この果糖の部分を濃縮、結晶化し、結晶果糖を取り出します。
特性:エネルギーは砂糖と同じです。砂糖より着色しやすく、甘味度は温度による差が大きく、2〜5℃では砂糖の1.3倍〜1.5倍ですが、高温では砂糖の6割程度です。

3.麦芽糖(マルト—ス)
植物などに比較的多く存在する糖で、2分子のブドウ糖が結合した還元性のある二糖類の一種です。
製造法:デンプンを酵素で加水分解し、精製、濃縮後、結晶化して、マルト—スをつくります。また、濃縮液をそのまま製品とした液状マルト—スもつくられています。
特性:甘味度は砂糖の約30%で、還元性を有するため砂糖より着色しやすく、エネルギーは砂糖と同じです。

4. 異性化糖
ブドウ糖と果糖のほかに少量のオリゴ糖類を含む液状の糖です。この名称は、ブドウ糖を酵素(異性酵素=イソメラーゼ)により果糖に変えること(異性化)に由来するものです。
製造法:デンプンの加水分離により、得られたブドウ糖液に異性化酵素を作用させ、ブドウ糖の約半分を果糖に変えた後、脱色、精製、濃縮し、果糖約42%を含有するブドウ糖果糖液糖がつくられます。 また果糖の濃度をさらに高めるために、果糖分42%の液をイオン交換樹脂によりクロマト分離を行い、果糖分55%まで高めます。
この液が果糖ブドウ糖液糖です。さらにブドウ糖果糖液糖あるいは果糖ブドウ糖液糖に砂糖を加えて砂糖混合異性化液糖がつくられます。
異性化糖製品には、日本農林規格(JAS)が制定されており、果糖の含有率が50%未満のブドウ糖果糖液糖(固形分75〜76、果糖42.5〜43.5、ブドウ糖50〜52、その他の糖5.5〜6.5)、果糖の含有率が50%以上の果糖ブドウ糖液糖(固形分75〜76、果糖55.5〜56、ブドウ糖39〜40、その他の糖4.5〜5)とブドウ糖果糖液糖あるいは果糖ブドウ糖液糖に10%以上の砂糖を加えた砂糖混合異性化液糖があります。
特性:ブドウ糖果糖液糖の甘味度は砂糖よりも少し劣りますが、果糖の含量が増すにつれ甘さは増し、果糖ブドウ糖液糖の甘味度は砂糖とほぼ同じです。還元性を有するため砂糖より着色しやすく、エネルギーは砂糖と同程度です。

5.水あめ
デンプンを酸あるいは酸素により加水分離して得た単糖類(ブドウ糖)、オリゴ糖類、多糖類(主にデキストリン)の混合物です。製法により酸糖化水あめ、酵素糖化水あめに分けられます。その他に麦芽水あめや粉あめがあります。
イ)酸糖化水あめ:デンプンを酸により加水分離して得られた粘り気のある液状の甘味科です。加水分離の程度により異なりますが、およそデキストリン59%、ブドウ糖42%、麦芽糖17%の糖を含みます。ブドウ糖が比較的多いため酵素糖化水あめより着色しやすく、甘味度は砂糖の約40%です。
ロ) 酵素糖化水あめ:デンプンを酵素により加水分離して得た粘り気のある液状の甘味科です。加水分離の程度により異なりますが、およそデキストリン47%、ブドウ糖4%、麦芽糖49%を含みます。甘味度は砂糖の約35%です。
ハ) 麦芽水あめ:麦芽糖の含有比率を高めた水あめです。およそ麦芽糖が57%、デキストリン40%、ブドウ糖3%です。
ニ) 粉あめ:液状の水あめを脱水・乾燥した粉未状の製品です。およその麦芽糖が15%、デキストリン82%、ブドウ糖3%です。

糖質系甘味料 - その他の糖

●デンプン糖
2) その他の糖

6.パラチノース
ショ糖にショ糖転移酵素を作用させ、ショ糖を構成する果糖とブドウ糖の結合の場所を変えた二糖類の一種です。
製造法:固定化酵素の入った塔に、ショ糖液を通し、得られた液を精製、濃縮後、結晶化し、パラチノース結晶を取り出します。結晶を取り出した残りの液はパラチノース蜜となります。またパラチノース結晶を粉砕して粉未パラチノースをつくります。
特性:還元性があるため加熱による安定性は砂糖より低く、甘味度は約42%程度です。エネルギーは砂糖と同じです。

7.フラクトオリゴ糖
ショ糖にフラクト—ス(果糖)転移酵素を作用させ、ショ糖に果糖を結合させた三糖類(1‐ケストース)、四糖類(ニストース)及び五糖類(1F‐フラクトフラノシルニストース)からなる混合物です。
製造法:ショ糖液に転移酵素を作用させた後、その糖液を精製、濃縮してつくります。市販製品には、単糖類(ブドウ糖、果糖)33%、ショ糖12%、フラクトオリゴ糖55%を含むものと単糖類(ブドウ糖、果糖)2%、ショ糖3%、フラクトオリゴ糖95%を含むものがあります。
特性:甘味度は、果糖、ブドウ糖の含有率が高い製品では砂糖の50%程度ですが、それらが少ない製品では砂糖の20%以下です。

8.乳糖(ラクトース)
ほ乳類のミルク中に含まれる主要な糖でガラクトースとブドウ糖(グルコース)が結合した還元性のある二糖類の一種です。
製造法:カゼインホエーを原料として、粗製の乳糖を得た後、さらに精製を繰り返し、純度の高い結晶乳糖をつくります。市販製品は白色の結晶あるいは粉末です。
特性:還元性があるため、加熱による着色は砂糖より大きく、甘味度は砂糖の15〜40%です。

9.ガラクトオリゴ糖
人の乳に含まれている4‐または6‐ガラクトシルラクトースを主成分とする粉末あるいは液状の糖です。
製造法:4‐ガラクトシシルラクトースを主成分とする方法及び6‐ガラクトシルラクトースを主成分とする方法があります。
4‐ガラクトシルラクトースを主成分とする方法:乳糖を溶解、調理した後、パン酵母と固定化転移酵素を加え、転移反応を行った後、パン酵母を分離し、脱色、精製、濃縮して液状製品、また濃縮液を乾燥して、粉末状の製品を得ます。
6‐ガラクトシルラクトースを主成分とする方法:乳糖を溶解、調製した後、カビ由来の転移酵素を加えて最初の転移反応、ついで細菌由来の転移酵素を加えて第ニの転移反応を行った後、脱色、精製、濃縮して液状製品を得ています。
特性:4‐ガラクトシルラクトースを主成分とする(転移ガラクトオリゴ糖が70%以上で単糖類と乳糖が30%以下の)製品の甘味度は砂糖の約25%、6‐ガラクトシルクラトースの主成分とする(転移ガラクトオリゴ糖が50%以上で単糖類50%以下の)製品の甘味度は40%です。また、6‐ガラクトシルラクトースの甘味度は砂糖の約20%と見られています。4‐ガラクトシルラクトースはショ糖、フラクトオリゴ糖に比較して熱及び酸に対して安定しています。

10.乳果オリゴ糖
乳糖とショ糖にフラクトース転移酵素を作用させ、できた非還元性のラクトシルフラクトシドを主成分とする液状あるいは粉末状の糖です。
製造法:乳糖とショ糖の混合液にフラクトース転移酵素を作用させ、乳糖にショ糖の果糖を転移させ、ラクトシルフラクトシドをつくります。精製した液状の糖、あるいは噴霧乾燥した粉末品、さらに精製を繰り返し凍結乾燥により粉末製品を得ます。
特性:ラクトシルフラクトシドの甘味度は、砂糖の約30%とみられています。

11.大豆オリゴ糖
大豆オリゴ糖とは大豆に含まれる糖類の総称で、ラフィノース、スタキオース、ショ糖を主成分とする無色あるいは淡黄色の透明な粘性のある液体です。
製造法:脱脂大豆から大豆ホエーを取り出し、濃縮して液状の糖をつくります。さらにこの濃縮液を粉末、造粒化して顆粒製品をつくります。現在、市販されている大豆オリゴ糖の一般的な組成は、スタキオース18%、ラフィノース6%、ショ糖30%、その他の糖22%です。
特性:着色は砂糖よりも大きく、甘味度はシロップの状態で砂糖の70〜75%です。

12.ラフィノース
てん菜に含まれており、ガラクトースがショ糖に結合した非還元性の三糖類の一種です。
製造法:ビート糖蜜からイオン交換樹脂を用いたクロマト分離により、ラフィノースに富んだ糖液を得ます。このラフィノース液を濃縮、結晶化し精製ラフィノース結晶を得ます。現在、市販製品の純度は、ラフィノース98%以上、乳糖2.0%以下です。
特性:甘味度は砂糖の約22%、加熱による安定性は砂糖と同程度です。

13.蜂蜜
蜂が花より集めたショ糖、ブドウ糖、果糖を主成分とする蜜と蜂の睡液中の酵素などによりつくられた微量の種々の糖類を含み、特有の風味のある液状の糖です。還元糖が多いために加熱により著しく着色します。エネルギーは砂糖とほとん変りません。

糖質系甘味料 - 糖アルコール甘味科

●デンプン糖
●糖アルコール甘味科

藻類から高等植物に至る植物界に広く分布する代表的な糖アルコールです。
製造法:種々の方法がありますが、一般的な方法としては、ブドウ糖液をpH調整後、水素で還元し、精製・濃縮し、結晶化して得られた結晶ソルビトール、また濃縮液を乾燥した粉末状のもの及び濃縮液そのものもあります。
特性:還元性がないため、メイラード反応による褐変が起こりにくく、甘味度は砂糖の40〜50%で、エネルギーは砂糖の約3/4(3.0kcal/g)です。

2.マルチトール(還元麦芽糖)
ブドウ糖とソルビトールが結合した糖アルコールで、マルトースを還元して得られます。
製造法:マルトース液を水素で還元した後、精製、濃縮し、結晶あるいは粉末、液状で取り出します。
特性:還元性がないため、メイラード反応による褐変が起こりにくく、甘味度は砂糖の70〜80%で、エネルギーは砂糖の半分(2.0kcal/g)程度です。

3.高糖化還元水あめ及び低糖化還元水あめ
デンプン部分加水分離物を還元して得たオリゴ糖にソルビトールが結合した非還元性オリゴ糖と単糖アルコールの混合物です。
製造法:デンプンの加水分離物により得られる単糖類、二糖類、三糖類、四糖類、デキストリンなどを含むDE20〜50の糖液を精製、濃縮後、水素で還元してつくります。市販製品の高糖化還元水あめの成分組成の一例を示しますと、単糖アルコールが0〜10%、二糖アルコールが45〜55%、三糖アルコールが15〜25%、四糖アルコールが20〜30%です。また低糖化還元水あめの成分組成の一例では単糖アルコールが5〜10%、二糖アルコールが50〜60%、三糖アルコールが10〜20%、四糖アルコールが20%以下です。
特性:高糖化還元水あめ及び低糖化還元水あめは熱に対して安定性があり、着色が起こりにくくなっています。高糖化還元水あめの甘味度は砂糖の20〜70%であり、エネルギーは砂糖の1/5〜1/2(0.7〜1.7kcal/g)です。
*DE・・・・Dextrose Equivalentの略称。この値が大きいほどブドウ糖の純度が高い。液晶ブドウ糖のDEは100である。

4.パラチニット
パラチノースを還元した、非還元性の糖アルコールの一種です。
製造法:パラチノース溶液のpHを調整した後、水素で還元し、精製、濃縮し、固形化します。現在、市販製品は白色の球型顆粒で、グルコピラノシルソルビトールとグルコピラノシルマンニトールの合計が98.1%以上、その他ソルビトールが0.5%以下、マンニトールが0.5%以下からなっています。
特性:還元性を有しないため、熱に対して安定性があり、着色が起こりにくくなっています。甘味度は砂糖の約50%であり、エネルギーは砂糖の約3分の1(1.5kcal/g)です。

5.エリスリトール
地衣類、キノコ類、ワイン、清酒などに広く分布する四炭糖アルコール。
製造法:ブドウ糖を原料として、酵母による発酵・精製・結晶化
特性:甘味度は砂糖の70〜80%、エネルギーは砂糖の1/10以下(0.4kcal/g以下)。