さとうきびのお話し
さとうきびからお砂糖をつくる!
◆どんなしょくぶつ?
学名は、「Saccaharum officinarum L」イネ科の多年草です。漢字では、「砂糖黍」と書きます。また、正式には「甘蔗(「かんしゃ」「かんしょ」)」と言います。さとうきびはc4植物と言われ、空気中の炭酸ガスを吸収する効果にとても優れた植物で、さとうきびは空気中の炭酸ガスと水、そして太陽光で光合成を行い、炭酸ガスを糖分に変えて茎にため込む、とってもエコな植物です。
さとうきび(甘蔗)の茎には、カルシウム・鉄・リン・カリウム・その他のミネラルなどが多量に含まれ、さとうきびの絞り汁をそのまま煮詰めて作られた黒糖(黒砂糖)はとっても健康的なお砂糖です。その他にも、最近はさとうきびパウダーなど、さとうきびから作られた健康食品もたくさん売られています。また、さとうきびからお砂糖を作る、原料糖(粗糖)や黒糖(黒砂糖)の工場では、燃料として石炭や石油などの化石燃料は使用せず、さとうきび(甘蔗)の縛りカスであるバガスをボイラの燃料として使用するので、カーボンニュートラルで、昨今のSDG’sにもマッチしたとってもエコな産業です。
◆どこで作られているの?
原産地はニューギニアで、インドのガンジス川流域をへて世界に広まったと考えられています。高温多湿を好み、年間平均気温が20度以上の土地でよく育ちます。生産国はインド、ブラジルで、その他の熱帯、亜熱帯地域で栽培されています。
日本では、奈良時代に鑑真が伝えたといわれているようで、 17世紀から四国や紀伊半島で作られるようになったということです。
現在では、沖縄・奄美諸島で多く栽培されています。また、四国でも三盆糖を作るため、わずかですがつくられており、最近では三重や千葉でも栽培されている方がおられるそうです。
砂糖を作る材料としては、ほかに「てんさい(ビート・砂糖大根)」がありますが、これは日本では北海道で作られています。
霜の害がない奄美や沖縄では、収穫した後の株から出た芽を育てることも行われていて、「株出し」と呼ばれており、農業人口が減少している昨今では、「株出し」が比較的手間がかからないことから、「株出し」での栽培面積が増加しておりますが、台風被害を受けやすいなどのデメリットもあります。